Sharpness

刃物鋼の重要性について

鋼は用途に応じて極めて多種類であるのですが、 刃物に適した鋼は「切れ味良く、折れず、曲らず、欠けず、然も長切れする」等の条件を満足させねばならない。 これらの特性を備える必要がある上に、特性を生かす熱処理と刃研ぎが必要で、良い刃物を作る根本になります。

刃物鋼の含有元素の影響
(炭素)
刃物の切味を出す根本元素であり、多すぎるともろくなる為一般に0.60〜1.40%程度の間になっている。 硬さが特に必要な場合1.0%以上となり、粘さの必要な場合はそれより少なくすることです。
Si (ケイ素)
普通0.30以下としてありますが、多いことは禁物です。これが多いと曲げに耐える性能も悪くするし、火造りにもろさが出る。
Mn (マンガン)
1%以上も有りますと常温加工も悪く、焼入の際割れる恐れがあります。 然し少量あると鋼の硬さ及び粘り強さを増します。又、マンガンは鋼の中のS(イオウ)の悪さを除く役目を果します。
(リン)
この元素も有害で、特に低温に於いて、もろさをあらわします。炭素が多い程著しくなります。 結晶粒で粗大にし、かたまり易く、衝撃にも弱くなり、 加工の際、亀裂を生じやすくなる等、良質の刃物鋼には最も嫌われる不純物です。
(イオウ)
この元素も非常に有害で、鍛錬性を悪くし、火造りの際はもろくなり伸びや絞り、 衝撃にも耐える事が出来なくなります。
Cr (クローム)
この元素を若干添加された刃物鋼は、鋼の粒子が高温になっても粗くなるのを防ぐと共に焼きが硬く 内部迄均一に入りやすく、刃物の切味、摩耗抵抗を著しく増します。これはまたタングステンと共に加えることにより、 よりその効果が上がります。
(タングステン)
この元素も刃物鋼には良い効果を上げます。粒子が微密になり耐摩耗もよく焼入過敏性がないから 焼きも入りやすく刃物としての高硬度と鋭い切味が得られます。
Mo (モリブデン)
タングステンと同じ様な効果があり、焼きが入り易く強靭になり、 切味と耐摩耗性にも効果があります。タングステンよりも一層効果的な貴重な元素です。
Ni (ニッケル)
この元素も焼きが入り易く、強靭になり粘さを増す。 又、粒子が大きくなるのを防いでくれる貴重な存在です。