Sharpness

焼入れについて

いかに良質の鋼でもその焼入操作の適、不適によって非常に影響を受けますので、 焼入については炭素の含有量、製品の大きさ、焼入温度、焼入液の性質及びその温度など、 あらゆる諸条件を勘案して刃物の用途、大きさによって適切な焼入を行わなければならない。 焼入温度は刃物として焼入可能な範囲で、なるべく低温で焼入するのが理想である。 それは温度が高くなる程鋼の結晶粒が大きくなり、もろさを増すことと、 もう一つは鋼の炭素が空気中の酸素と化合する結果、次第にその表面の炭素量が少なくなり、 いわゆる脱炭を生ずる危険があるからです。焼入温度を高めることにより、 高炭素の刃物ではオーステナイトが残留する為、かえって軟らかくなるということも生ずる。 焼入効果は又、焼入液の種類によっても大きく影響を受ける。焼入用水の温度は15℃〜20℃が適当です。 焼入に油を使用する場合は、約50℃に予熱し、さらさらした状態で行う方が効果があります。 只、油は種類によっては老化が早く、効果を減殺する事があるので注意。焼入のキーポイントは速くゆっくりの冷却が 割れず、硬くの焼入法のコツと言えます。

加熱炉の形式、炭素含有量等の相互関係
図「加熱炉の形式、炭素含有量等の相互関係」
  1. 加熱炉の形式によって左図の如く加熱時間に相当差異があり、これを考慮する必要がある。
  2. 製品が大きい程時間が長くなる。
  3. 焼入温度が低い程保持時間を長くする必要がある。
銅のC%と最高硬さの関係
図「銅のC%と最高硬さの関係」